2000年(平成12年度)の「あじさい川柳同好会」の句集(編集ー上野栄三)より抜粋いたしました。

宇宙にも天寿あるらし流れ星


見違えし恩師の老いに言葉無く


我が影に我が人生を問うてみる


年輪を減らした顔の美容院


妻無口冷えた仲でもあるまいに  彰

省エネで次代へ残す青い空


宮の森忍び逢う恋寄ってくる


腹時計正確さでは負けません


世の中は嘘と本音のせめぎあい


胸の奥消せない傷が渦を巻く  栄三

遍路笠ほとけの風と響きあう


外面は弱そうだけどキット鬼


宝石の光ローンの地獄絵図


人間をしっかり飾る苦労皺


乱反射女の意地を孕ませる  歌子

赤い糸引かれるままに今がある


橋の下どんなドラマか恋語り


欠けた皿絆付深めたあの喧嘩


熟し柿紅葉も映える食べ歩き


一年を三日で見せる風の盆  百合子

引き際の美学男の花の道


気安さで皿積み上げた回り寿司


車より自分を磨けオイ息子


貧乏籤ひいたと妻の独り言


リストラの噂を聞いた重い箸 勇次郎

空白のページは揺れた日の名残


割り勘に落ち着くまでのロスタイム


風紋を幾つ刻んだ私小説


走り疲れてやがて私のちぎれ雲


達観に辿り着くまで脱皮する  幸子

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